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Channel: 神宮寺真琴のつぶやき
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“シン・ゴジラ”九州に上陸?

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 『シン・ゴジラ』で思い出したことが一つ。去る2016年11月、福岡県筑前町で実施された「ど~んとかかし祭」で、この年は何と話題の“シン・ゴジラ”藁案山子が制作された。丁度その頃、福岡に用事にあった私は。たまたまこの記事を目にして、折角だからと少し足を伸ばして、初めて筑前町に足を運んだ。途中何度も道に迷いながら、最後は付近のコンビニで丁寧な説明をしてもらって(どうもどこには私たちと同じような観光客がたくさん道案内を求めてきていたらしい)、ようやく会場の安の里公園までたどり着いた。

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 時間は午後、やや日が翳り始めた頃だったが、晴天の下、逆に赤みかかった日差しを受けて聳える“シン・ゴジラ”の雄姿は壮観だったね。身長は約10メートルくらい。藁で作ったとは思えないくらい精巧で、細かいところもしっかり描いていて、劇場で『シン・ゴジラ』を観た者としても十分納得するほどの出来映えだった。丁度近くにある背景の鉄塔との相性も良く、映画の一シーンを観ているような気持ちになったよ。

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 実は夜になるとLED照明によって目や身体から光を放つライトアップが施されていて、それも本当は観たかったが、生憎地元に帰る時間もあって泣く泣く断念したんだけれど、実はその日の夜、明治神宮外苑でライトアップされた展示物が燃え小学生が焼死するという痛ましい事件が発生し、それを受けてこの「シン・ゴジラ」のライトアップも翌日から中止になったらしい。こんな事を書くと不謹慎かもしれないけど、行ったこの日が実は最後のライトアップだったようだ。

 この「シン・ゴジラ」藁案山子は、そのイベント終了を以て解体焼却されてしまったようで何とも残念な話だが、こうして運良く実物を見られたことは、何ともラッキーだったと思う。今回改めて『シン・ゴジラ』を観直してみてつくづくとそう思ったよ。

歴代“怖いゴジラ”は?

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 きっと総監督の庵野秀明氏氏が意図したところなんだけれど、今回の“シン・ゴジラ”は全く人間とコミュニケーションを断ち切ったような不気味な表情をしている。それは既に「善」「悪」の領域を超越した“無意識の脅威”という点で、生物と言うよりは自然災害に近い。これも前作『ゴジラファイナルウォ-ズ』から今回の『シン・ゴジラ』に至る間の12年間に、かの東日本大震災を日本人が体験してしまったからに他ならない。このような表現は不謹慎かもしれないけれど、地震・津波という破壊力と共に、原発人災による大量の放射能被曝という事態も発生し、まさに「実際ゴジラが上陸して猛威を奮ったらこうなるだろう」と空想した事態が現実になったのだから……

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 そう考えると、今回の『シン・ゴジラ』同様、ゴジラを生物を超えた存在として描いたのは、1954年の初代『ゴジラ』しかないのではなかろうか。初代ゴジラの、確かに白目も瞳もあるが、どこを観ているのかわからない視線の曖昧さや、意識を感じさせない行動など、怪獣=生き物としての存在を超越した“何”かを感じさせる。だが、初のVSモノとなった『ゴジラの逆襲』以降、ゴジラは相手怪獣を倒す、という明確な自我を持ち、初代の持つ不気味さ、といったものはなりを潜めてしまう。おそらくモスラの説得でラドンと共にキングギドラから地球を守る決心をした『三大怪獣地球最大の決戦』辺りがターニングポイントとなって、ゴジラは人類の脅威から、いつも何か大映のガメラ同様外的からの地球の守り神となっていく。だから昭和後期の対戦怪獣は宇宙や地底の人類の及ばないところから飛来するものばかりになってしまった。

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 1984年にゴジラが15年ぶりに復活する際も、「ゴジラを再び人類の脅威に」という意見が多く出されたが、これも要は人類に対する悪役の怖いゴジラを求めたのに過ぎない。だがら平成ゴジラシリーズもゴジラは人類の足りえても、“不気味さ”という点は描かれてこなかった。これは『ゴジラ2000』以降のシリーズにほほぼ継承されていく。

 そんな初代以降の中で、唯一と言っていい、ゴジラが不気味な存在だったのは『ゴジラモスラキングギドラ大怪獣総攻撃』に於ける“白眼ゴジラ”だった。ストーリーそのものは、ゴジラを戦争被害者の怨霊という設定にしたため、むしろより“意識する”ゴジラになってしまっているんだけれど、あの邪悪なゴジラは絶対的な強さと共に「何を考えているのか意思の疎通の図りようがない」不気味さを逆に醸し出していた。全く人類(日本人?)を意識する気がないようなあの挙動を見るにつけ、ある種初代や後の“シン・ゴジラ”に通ずる、生き物を超えた存在を感じる。

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 思えば歴代のゴジラの中で、ことさら「悪役」と言われた“モスゴジ”でも、その行為そのものは悪意に満ちて、ラストのモスラ幼虫によって撃退される姿に観客は拍手喝采したが、あの“モスゴジ”でさえ、感情移入は可能だった。「悪役」というキャラまで与えられていたんだから………

 本当に怖いのは、こちらをギロリと睨み付けられることより、無意識に迫ってきて踏まれそうになることの方に違いない。だから“シン・ゴジラ”は第二形態の頃から既に怖い………

アクションムービーの“クール”なテクニック

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 今まで手を変え品を変え、すっと『シン・ゴジラ』に拘ってしまって来たので、時には別の話題で……(;^_^A

 “ポスト・スタローン”“ポスト・シュワルツェネッガー”として個人的には期待大の、活かした“リアルスキンヘッド”のジェイソン・ステイサム。彼が敏腕の殺し屋・ビショップとして主演する『メカニック:ワールドミッッション』において、武器商人のエイドリアンを事故に見せかけて殺害するシーンがあるのだけれど、難攻不落のエイドリアンの高層ビルに潜入し、彼が愛用する屋上の天空プールの底に穴を開けて、彼を転落死させる場面は何ともクールで、ターゲットが人身売買にまで手を染めた極悪人なんで(そしてこれは虚構の映画なんで)観ていて胸がすく思いだった(飽くまで映画だから)。

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 そういえば、邦画でも、映画リメイク版の『ワイルド7』の冒頭で、凶悪銀行強盗団に“ワイルド7”の面々が情け容赦ない“処刑”を加えるシーンも凄い。一味の一人が人質に取ってきた女性行員を射殺しようとした瞬間、どこからともなく飛んできた弾丸にこめかみを撃ち抜かれて逆の射殺されるいや否や、装甲トラックにいきなり追突されて吹っ飛ぶ一味の車。それは先に逃げだした仲間の車両の直前に飛ばされて、一大クラッシュとなる。そこへやってきた“ワイルド7”の面々。必死に形相で車からはい上がる数名の凶悪犯はすっかり彼らに包囲される。そこでリーダーの飛葉(瑛太)がうそぶく「お前ら全員、『退治』する」。思わず鼻で笑う犯人の一人「それを言うなら、『逮捕』だろ?」。しかし次の瞬間、情け容赦ない一斉射撃によって、犯人一味は一人残らず射殺される。そこで飛葉は顔色一つ変えず、「ほら、『退治』だろ」………な、何てクールなんだ! これまた対象が凶悪技能強盗犯一味でそれまで極悪非道の限りを尽くしてきたのだから同情の余地もないんで(そしてこれは虚構の映画なんで)、やはり観ていて胸がスカっとするね(飽くまで映画だから)。

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 そんなわけで、私にとっての“クール”とは“粋”や“ハードボイルド”とも重なって、「粋な作戦」「粋な殺害」という映画独特の表現テクニックにあたる、というイメージが強い。もちろん、そこには完全無欠の主人公がいて、決してくよくよ悩まない、迷わない。そして相手は同情の余地なき極悪非道の輩であることが必須条件だ。そう考えると、若山富三郎主演の劇場版『子連れ狼』に於ける拝一刀のハチャメチャに強い剣劇も、やはり“クール”なわけで、主人公以外の登場人物(敵役)に一切の感情移入をさせる暇もない展開故、拝一刀の活躍は観ていて拍手喝采だ(飽くまで映画だから)。

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 ハリウッドでは、スタローンの『ランボー2』『ランボー3』『コブラ』や、シュワルツェネッガーの刑事・軍隊・SFアクション全てに、そんなクールさを感じていた。しかしながら最近のハリウッドは、どうも一筋縄ではいかない主人公や敵役の登場が相次ぎ、往年の“クール”さ(及び“バカ”さ)が失われてしまっているのは実に残念だ。『デッドプール』や『スーサイド・スクワッド』辺りには大いに期待していたんだけれど、すっかり『肩すかし』に遭ってしまったし……そうそう『バットマンvsスーパーマン』も………

 昔ならば『大都会』『西部警察』辺りで十分味わえたこのいびつな“クール”さを、また味わえる日が来るのだろうか……?

 ちなみに政府辺りがしきりにアピールしている“クールジャパン”って何?

600コメント感謝!

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 実はもう9日前の話になりますが、当ブログ「神宮寺真琴のつぶやき」のコメント数がコメントに到達しました。皆さまいつもいつも有り難うございます!!m(_ _)m

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 記事の数そのものは私の都合でどうにでもなりますが、ことアクセスとコメントだけは、このブログを御覧になる方々がいて初めて成立するものです。アクセス数によって「記事を読んでくれる人がいる」との実感を得られますし、コメントに関しては、御覧になる方の生の意見を頂戴できて、本当に有り難いです。

 時には多忙で上手く返信できなかったり、そう返答すればいいか戸惑ったりで、きちんとお答えできないケースもあり申し訳なく思っていますが、これら皆さんのコメントを支えに、まだまだこブログを続けて行きたいですね(^^)

 今後ともよろしくお願いいたいますm(_ _)m

万感! 2016年度よさらば……

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 いよいよ今日で2016年度が幕を閉じます。先だって去る12月31日をもって終了した2016年が、私の主催する映画制作団体イチヱンポッポフィルム(IPF)の結成30周年と、同団体で展開中のシリーズ「広島発ヒロインアクションムービー」の10周年も兼ねたメモリアルな年でした。ただ、IPFのスタートが1986年8月、「広島発ヒロインアクションムービー」の最初のロケが2006年11月だったことを考えると、記念の年を“年度”で表すことも出来ます。そんなわけで、正真正銘“2016”は今日で幕を閉じることになります。

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 さてこの2016年度は、前年度から“仕込み”がきちんと出来ていて、1月には『電光石火☆八城忍』封切、2月には『学園特捜☆伍代聖羅』クランクイン&アップ、3月には「ひろしま映像ショーケーズ」参加と、しっかりお膳立てが出来てのスタートでした。その上で今年度は是非「広島発ヒロインアクションまつり」を開催したいとの固い決意から、『学園特捜☆伍代聖羅』の完パケと上映会場確保に奔走しました。会場の方は、いろんな方々のご尽力によって、かの「横川シネマ!!」に決定し、『伍代聖羅』も夏には完パケが完成しました(もっとも予告編作りには大いに手間取ったけっど……)。それに先駆けて、その『伍代聖羅』が10月に開催される「新宿アクション映画祭」への参加をオファーされ、シリーズ初めてIPF以外の上映会場での封切と相成った次第です。

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 それもあって、徐々に気運も高まり、翌11月27日に「横川シネマ!!」で開催した「広島発ヒロインアクションまつり2016」では、つご7本の上映作品と共に都合3回の舞台挨拶で、広島東京合わせて6名おのヒロインに登壇してもらうことが出来ました(;^_^A このイベントでは過去最多の100名を超える観客に恵まれ、中には遠路遙々、東京・神奈川・高知・山口といった他県からの来場者もいらっしゃって、最高に盛り上がった、30周年&10周年を飾るのにふさわしいイベントになりました(;^_^A

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 その後も最新作の『学園特捜☆伍代聖羅』が3月に実施された今年の「ひろしま映像ショーケーズ」に出品させていただくなど、実に充実した年度を過ごせました。

 さて、これは年代わりにも書いたと思いますが、31周年&11周年を迎える来年度、どう頑張っていくか……? メモリアルな年を迎え新年からあれこれ画策していた昨年とは違い、未だのんびりと時を過ごす日々ですが、出来れば来年度も「広島発ヒロインアクションまつり」を開催したい。そうなると上映用の新作準備は……などなど、やらなければならないことはいっぱいです。よって、来年度当初から、いろいろ積極的に活動していく所存です。

 何はともあれ、素敵な思い出をたくさん残してくれた2016年度よ有り難う! そして来るべき2017年度よ、ヨロシクね(;^_^A

2017年度を迎えて

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 とうとうやってきました2017年度! これで「2016年」は遂に跡形もなく消え去ってしまいましたが、そこはそれ、気分一新、当団体IPFの「結成3“1”周年」記念の年と考え、張り切っていきましょう(;^_^A

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 今年度もまたガンガン突っ走って行きたいですね。何はともあれ、なんとか新作撮りたいですね(^^) そして映画と通じて多くの人と繋がりたいと考えています(^^) それと上映イベントも仕掛けていきたいですね。目標は「広島発ヒロインアクションまつり2017」開催です(;^_^A 出来れば毎年この上映イベントを続けていき、他の団体さんも絡めて出来れば楽しいかな、なんて思っています(^^) 広島に“ヒロインアクション”の文化を根付かせるために(;^_^A

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 当ブログ的には、もっといっぱいいっぱい映画を観て、そのレビューが書きたいですね(^^) そして新作制作が実現できた暁には、その撮影日記なども書けたらいいな、って思っています(;^_^A

 そう考えれば考えるほど、自分には映画しかないってっことを痛感しますヾ(ーー )  でもそれを良しとして、今後とも“No movie, no life.”で生きていきたいですね(;^_^A

 皆様、今年度も何とぞよろしくお願いいたいますm(_ _)m

闘え! 二階堂ふみ!(;^_^A

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 なんか、二階堂ふみって“闘ってる”よなぁって、漠然と思う(;^_^A あんなにキュートな顔して、何だかツッパってるような役回りが多いような気がするから………

 『日々ロック』では、表面上は「きゃりーぱみゅぱみゅ」のごとき超アイドルを演じながら、魂はハードなロッカーという設定の宇田川咲を演じ、ザ・ロックンロールブラザーズのライブに乱入してやりたい邦題。その後末期ガンと診断されるがそれでもあっけらかんとした飄々とした態度は変わることなく、今で言うところの“クール”といおうか、“鉄の女”って感じを醸し出していたな。ある種“粋”というか、生死を超越したような神々しさを感じる演技だった。

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 また『オオカミ少女と黒王子』においては、「主人公が行きがかり上、彼氏のフリをしてもらうことを承諾してもらった相手の男が実は腹黒ドS男子で」云々というストーリーのようだが、この主人公・篠原エリカを二階堂ふみが演じていると知れば、かなり無茶苦茶なヤラレっぷりもアリだな、なんて思ってしまうモノヾ(ーー ) 実際情け容赦なく頬をつねられているスチールが有名だもの(;^_^A

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 でも、こんな娘こそ、ヒロインアクションムービーに似合うって思うんだけどなぁ。キャラがまんま“孤高のヒロイン”なんだもの(;^_^A  クールなスナイパーなんて役を演じてくれたら最高だ。きっと粋な“仕事をしてくれるだろうよ(;^_^A

 そんな彼女は最新のドラマ『フランケンシュタインの恋』で、綾野剛演じる“怪物”に見初められる女子大生を演じるらしい。この作品、他にも柳楽優弥、光石研(東京都知事!!)、新井浩文(『青い春』!!)、柄本明(悪ノ宮博士!!)といったひと癖もふた癖もある男優が揃い、そこにAKBファン傷害事件被害者の川栄李奈が絡むという、何とも期待させてくれるキャストが脇を固めているので、何かTVの枠に囚われない過激なドラマになりそうな予感がする。個人的にも“和製フランケンシュタイン”って好きだし、何とも期待大だ(;^_^A

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 ちなみに、二階堂ふみって、現在慶応大学の学生らしい……ってリアル“ビリギャル”じゃん!?ヾ(ーー )

『女子高生ゾンビ』  稀代の“和製『ラスト・ブラッド』”はタイトルが足枷?

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 『女子高生ゾンビ』という、実に“キワもの”なタイトルに、それなりの作品だろうと高をくくって観たんだけれど、意外にも上質のヒロインアクションムービーだったんで、驚いてしまったよ(;^_^A

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 作品の舞台は近未来(なのかなぁ?)の東京。やたら突っ張った女子高生が闊歩する世界で、「首切り女」の都市伝説がまことしやかに語られる中、同級生の失踪が多発する。そんな中、友人・ヨ-コを捜す主人公のミサキ(梶原麻莉子)は突如ゾンビの集団に襲われる。そんな彼女を救ったのは、特務機関のエージェント・アイリン(高部あい)だった。

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 このアイリンってのが、まさにヒロインの王道を行くキャラクターで、セーラー服姿にポニーテールって容姿は「スケバン刑事」初代麻宮サキの完コピ! しかも日本刀に拳銃も駆使してゾンビを情け容赦なく殺戮していく姿は『ラスト・ブラッド』の小夜そのもの。っていうか、本作は吸血鬼をゾンビ(劇中通称「赤目」)に変えただけで、“日本版実写『ラスト・ブラッド』"といっても過言ではない世界観だった。不死身の肉体を有し、圧倒的な強さで敵をクールにバッタバッタと粉砕していく姿には、本当に惚れ込んでしまったよ(;^_^A  もともと「高部あい」は贔屓の役者だっただけになおさらだ(;^_^A (この感覚は、仙道敦子が『セーラー服反逆同盟』でアクションヒロインを演じていたことを知った時と同じ感慨だ(;^_^A )。これだけでも、本作を演出した南雅史監督は相当の“ヒロインアクションマニア”だって直感したね(;^_^A

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 小沢和義演じる組織のマネージャーって設定もいかにも“ヒロイン王道”だし、ラスト、何の伏線もなく唐突に登場する意外過ぎる敵組織ナンバー2の存在など、逆に外連味たっぷりで、これまたヒロインアクションのあるべき姿を現しているようでうれしかったよ。

 画像も敢えて粒子を粗くすることによって、ビデオ特有の安っぽさを払拭することに成功している。またゾンビの視点でのアングルや、強烈なスプラッター特殊メイク等々、とにかく全編金と手間と工夫を十二分にかけて撮ったことが節々に垣間見られ、制作サイドの並々ならぬ意気込みが感じられて、実に好感が持てる。

 しかしながら、というか、それ故『女子高生ゾンビ』という“イロモノ”のタイトルで、残念ながら実に損をしていると思った。このタイトルでは、いかがわしいお色気残酷ギャグムービーを観る者は期待してしまう。でも本作の内容では、そんな鑑賞者の期待を大いに裏切ってしまうだろう。逆にハード設定の上質なヒロインアクションムービーを望む者からは、このいかがわしいタイトルのために敬遠されてしまうかもしれない。

 更に言うならば、本作は正真正銘“大真面目”に演出されているが故に、この手の映画にありがちな“大真面目なのにどこか可笑しい”といったさりげない“遊び”の部分がことごとく排除されている。主人公たちの過酷すぎる設定や、ストーリーに“イジメ問題”まで絡めた余計な社会派ストーリーも今ひとつ素直に楽しませてくれない“足かせ”になっている。それでも一応、主人公に絡む“お姐キャラ”の友人や、敵のJKブルマーゾンビ軍団など、笑わせてくれる馬鹿馬鹿しい要素は多々あるが、それも取って付けたようで変にあざとく、ギャグとして今ひとつシンクロしない。というか、制作者サイドは既存の(『スケバン刑事』などの)ヒロインアクション独特の外連味を潔しとはしない感覚で本作を撮っている。その分だけ、本作がなかなかしっかりした映画ではあるものの、今ひとつノレない(そして何度も観返す気にさせない)要素になっているような気がする。それ故、『女子高生ゾンビ』というタイトルと制作者の心意気とのギャップが実に惜しい。いっそ『ラスト・ブラッド』のような、粋で格好いいタイトルにすればよかったのに………もしくは敢えてタイトルに拘って“残酷ギャグ”路線で行くとか……

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 折角の素材、折角の出演者の気合いの入った演技など、素敵な要素が盛りだくさんなんで、出来れば話題にした初代『スケバン刑事』のようなノリでアイリンの活躍する世界を描いてくれたらうれしかったな……(;^_^A

 ちなみに、本作に出演している小沢和義と暴力団幹部役の江原シュウとの競演は、シネマ愚連隊・高橋亨監督の撮った『極道忍法帳』を連想させるし、エージェント・アイリンの「セーラー服・日本刀・レッグホルスター装着の拳銃」という出で立ちは、同じく高橋監督の『餓鬼ハンター』の主人公にそっくりだ。さては南監督、高橋監督の一連の作品を観てるな(;^_^A

どうして彼女らはセーラー服に身を包んで闘うのか……?

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 『女子高生ゾンビ』のアイリンも、『ラスト・ブラッド』の小夜も、セーラー服を粋に着こなし、顔色一つ変えぬクールな出で立ちで、日本刀片手にバッタバッタと敵を切って捨てる(アイリンに至っては拳銃まで!)生粋のアクションヒロイン(ていうか“富三郎版”「拝一刀」のごとき刺客?)だが……そんな彼女らがセーラー服に身を包む必然性は……ない?!

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 もともと海軍水兵の軍服だったとか、本来“体操服”として女子校で採用されたのがきっかけだったとか、そんな歴史的背景は抜きにして、こと映画(ドラマ)の世界においては、『青い山脈』の頃から、セーラー服は、女子中高生の“清純さ”の象徴として、永小百合や和泉雅子、松原千恵子、吉沢京子ら往年の青春スターの身を包んできたはずだった。

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 それが70年代の、池玲子・杉本美樹を筆頭にキラ星の如く登場した『女番長ブルース』『女番長ゲリラ』『恐怖女子高校』といった一連の東映“スベ公”アクションムービーによって、一気に穢されていく。もっとも、ここに登場する“ズベ公”たちは、短ラン制服に長ランスカートと見事にセーラー服を着崩し、彼女らが女子高生であることを示す目的のみに存在する、といっても過言ではない粗末な使われ方をされていたので、意外にもセーラー服そのものの印象を悪くする程ではなかったような気がする。ただ、詰め襟と同様、改造・改変が安易な制服というマイナスイメージを社会に与えたのは誤算だったが……

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 でもそれよりも、ヤクルト・川崎のマンションから“他界”した可愛かずみが主演した『セーラー服色情飼育』のような、ポルノ・ピンク映画の世界で、風営法が改正されるまでタイトルに頻繁にその名が用いられたことのが致命傷だったかもしれない。

 そんな「清純」と「不良」「いかがわしさ」という二律背反するイメージを背負わされたセーラー服の運命に転機が訪れたのは、やはり何といっても斎藤由貴主演の初代『スケバン刑事』の公開だろう(何だよ! またいつものパターンに戻っちゃったよ(;^_^A)。主人公は名こそ「スケバン」でいきがった啖呵を切ったりもするが、どんなに眼光鋭く演じても、ルックスがどうしても“ズベ公”ではない。制服も着崩さないし、ソックスもルーズではない白だ。斎藤由貴演じる麻宮サキでは、どうやっても「可愛らしい優等生」にしか見えない。それで「てめえら、許さねぇ!」とヨーヨー片手に巨悪に挑む姿は、一度“ズベ公”映画で穢されたセーラー服に再び清純さを取り戻すと共に、“清純”と“アクション”を無理矢理融合させる原動力にもなった。その後、南野陽子にしても浅香唯にしても、五十嵐いづみ(『少女コマンドーIZUMI』)にしても仙道敦子(『セーラー服反逆同盟』)にしても、往年の日活スターさながらの清純さを維持しながら、精一杯アクションする、そんな「セーラー服アイドルアクション」路線を推進して今日に至っている。

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 もし仮に、初代『スケバン刑事』が当初の予定通り宇沙美ゆかり主演で制作されていたならばどうなっただろう……おそらく彼女の方が斎藤由貴よりも陰のある、そしてより女番長(スケバン)らしいキツい麻宮サキになっていたと思う。そうなると下手をすればタイトルよろしく“ズベ公”色を払拭するような今日の作りにはなってなかったような気がする。宇沙美ゆかりが『Vマドンナ大戦争』の主演に抜擢されて『スケバン刑事』を降板することになった時、何故後釜に斎藤由貴が選ばれたのか………そこにどんな“大人の事情”があったかは知るよしもないが、この偶然とも言える“奇跡”が、その後の「80年代東映系ヒロインアクション」の礎となり、未だにアイリンや小夜に継承されているのである。ここに彼女らがセーラー服に身を包んで闘う根拠があるといっても過言ではない。

 そしてメジャー・インディーズ(そしてヒロピンも?)を問わず、セーラー服ヒロインアクションが連綿と撮られ続けていくことだろう……なんてね(;^_^A

“セーラー服ヒロインアクション”の救世主

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 先日、日本に於けるセーラー服ヒロインアクションの変遷についてしたためたが、殊の外反響を戴いて、有り難く思っています。そこで前回書ききれなかった項目について少々………

 確かに、宇沙美ゆかりの『Vマドンナ大戦争』出演に伴う『スケバン刑事』主役降板の後を受け継いで、それまでイメージ優先の清純派女優だった斎藤由貴が「麻宮サキ」役を射止めたことが、今日まで続く“清純派セーラー服ヒロインアクション”の礎に繋がった訳だが、そんな「スケバン刑事」シリーズも、第3弾の『スケバン刑事III 少女忍法帖伝奇』における荒唐無稽さが、原作者・和田慎二氏の顰蹙を買い、本来『スケバン刑事Ⅳ』となるべ五十嵐いづみ主演のヒロインアクションを『少女コマンドーIZUMI』と改名せざるを得なかったことは衆知の事実である。

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  ところで、くだんの『少女コマンドーIZUMI』が予想外の視聴率低迷にあえいだ挙げ句わずか4ヶ月で打ち切り。その後を受け継いだ“つなぎ番組”『藤子不二雄の夢カメラ』(渡辺美奈代主演)や、放映時間帯を代えて始まった東映ヒロインアクションの『花のあすか組!』では、「メインの主人公がセーラー服に身を包む」という、『スケバン刑事』から『少女コマンドーIZUMI』まで受け継がれた設定は反故にされ、危うく“セーラー服ヒロインアクション”というジャンルが『スケバン刑事』オンリーの徒花になりかけた時期もあった。それを救ったのが、何を隠そう、ユニオン映画製作の『セーラー服反逆同盟』である。

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 本作は、明らかに『スケバン刑事』シリーズを意識し、且つ「『スケバン刑事』がやらないことをやり切ってみせる!」との意気込みが端々に感じられる作りになっている。例えば単体ではなく「同盟」という設定。“白いセーラー服”という戦闘時専門のコスチューム(冬服故、色まで『スケバン刑事』に対抗している(;^_^A)の着用。特定の学園内(黒鳥学園)に的を絞って一連の事件を解決するという、一話完結&大河ストーリーなどなど。またスケジュールの関係でやむを得ない事態とは言え、当時メンバー中一番人気の中山美穂の“チラ見出演”など、この手のドラマファンの琴線に触れる企画ばかり。それでいて、中心的存在が「往年の日活青春スター」を彷彿させる清純派俳優・仙道敦子であったり、キチンとメンバーに啖呵を切らせる演出など、ちゃっかり“本家”『スケバン刑事』のテイストを頂いた企画・設定もあって、実に楽しく魅力的なヒロインアクションドラマに仕上がっていたと思う。

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 実はこの『セーラー服反逆同盟』、時期的には『スケバン刑事III 少女忍法帖伝奇』と対抗するようにカブって放映されていて、『少女コマンドーIZUMI』が始まる前に既に終了していた。だから一概に「“セーラー服ヒロインアクション”というジャンルを救った」とは言い難いように思われるが、本作の登場によって「フジテレビ・東映」のみだったこのジャンルに「日テレ・ユニオン」という新しい“バイパス”が登場したことが本当は意義深い。確かに『スケバン刑事』シリーズ同様、本作の“後釜”的存在と言える『こんな学園みたことない!』(読売テレビ)では既に“セーラー服ヒロイン”は消滅してしまったが、この制作も局も異なる『スケバン刑事』と『セーラー服反逆同盟』が同時期に並列して放映されたことが、巷に“セーラー服ヒロインアクション”というジャンルを認知させる結果に繋がっていると思う。そんな意味で「点」を「線」に変えた『セーラー服反逆同盟』は、ヒロインアクション界の金字塔として、認知されるべきであろう。

 ちなみに、一応当時の“セーラー服ヒロインアクション”の幕引きとなった『少女コマンドーIZUMI』の最終話のサブタイトルが「セーラー服戦士の伝説」ってのは、何とも意味深だ(;^_^A

“CoolJapan”の原点は往年の時代劇にあり!

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 昨晩『座頭市逆手斬り』を観た。シリーズ11作目。藤山寛美演じる市の偽物“百太郎”が登場する回だったが、生憎観始めたのは、荒磯の重兵衛(石山健二郎)率いるヤクザの大群相手に、勝新の市が大立ち回りを演じるクライマックスだった。しかし、幸か不幸かストーリー云々はすっ飛ばして、只々座頭市の完全無欠な強さのみを堪能すること出来た(;^_^A

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 全盲の按摩に武装した屈強なヤクザが集団で闘いを挑む、という圧倒的な“ハンディキャップマッチ”にもかかわらず、市の居合いの凄いこと凄いこと! トミー(若山富三郎)版『子連れ狼』のように、血飛沫が切断された四肢か飛び散るようなリアル残酷描写はないものの、並み居る敵を文字度通りバッタバッタと切り捨てる。しかも、敵が用意したいくつものトラッブ(落とし穴、網、縄等々)もモノともせず、仮に引っかかっても即脱出、しかもその過程で「行きがけの駄賃」とばかり、まわりのヤクザたちも網ごと切り捨てる、という無駄のない動き!

 私は常々、こんな所業こそ「クール」だと思ってきた。こと『座頭市』に関しては、地元広島県の福山「みろくの里」のセットで撮った勝新最後の作品といい、北野武監督主演の作品といい、とにかくため息が出るほど強い、強い、強い。しかも相手はどうしようもない非人情の悪党ばかりなので、下手な「闘う者の葛藤」なんてつまらない感情は一切ない。映画という虚構の世界で遠慮なく思いっきり暴れてくれているので。本当にスカッとする。トミーの「拝一刀」もそうだが、これこそ正しい「スカッとJAPAN」であり、「クール・ジャパン」であるあるはずだ(;^_^A そもそも気取ったことして「俺ってクールだろ」なんて宣っても、“スギちゃん”じゃないんだし、世界の物笑いの種になるばかりだ。そんな行為を「クール・ジャパン」だなんて思ってる輩は、顔色一つ変えずニヒルに敵を駆逐する市や拝一刀(飽くまで“トミー”版だよ! 「萬錦」や「北欣」版じゃないからね!)の爪の垢でも煎じて飲みやがれって思うねヾ(ーー )

 こう考えていくと、本当の「クール・ジャパン」って、案外60~70年代の時代劇に遡って検証するべきではないのかな? この時代の時代劇の主人公たちの方がよっぽど“クール”だったと思うよ。『木枯らし紋次郎』もそうだし、同じ“萬錦”だったら断然『破れ傘刀舟悪人狩り』をおすすめするね(;^_^A

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 ところで、この「座頭市」の設定は、ヒロインアクションの世界において、往年のアクションヒロイン(そして「ボンカレー」の人)・松山容子主演による映画・ドラマの『めくらのお市』や、“広島っ娘”綾瀬はるか主演の『ICHI』に引き継がれているが、果たしてこの両作の“いち”は、本家を凌駕するくらいの完全無欠の活躍を魅せてくれているのだろうか……?

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『貞子vs伽耶子』 “王道”ホラーの「オール怪獣大進撃」

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 およそ「王道」という言葉ほど“ホラー”に似つかわしくないものはない。「王道」といえば、そうあるべき正統派の展開、いわば“お約束”に守られた予定調和の世界である。それに対し、何が起こるか分からない、その先が全く読めないところが“ホラー”の怖さであり醍醐味でもある。だから先が読める予定調和のホラーなんて、あり得ない、と考えるのが世の常識だ。

 しかしながら、この『貞子vs伽耶子』に限っては、「王道」と“ホラー”とが奇跡のような融合を遂げている。だから、個々のショックシーンは随所に散りばめられているものの、全体のストーリーはホラーでありがならほぼ先が見える安心展開。しかも本当に『リング』シリーズの「貞子」と『呪怨』シリーズの「伽耶子」が“VS”するのだからたまらない! このテイストは、ホラー映画というよりは“怪獣映画”として観るべき! それこそ『キングコング対ゴジラ』の如き様相を呈した、外連味タップリの「王道ホラームービー」に仕上がっていたよ(;^_^A 何と言ってもキャッチフレーズが「呪い勝つのは、どっちだ!?」だもの(;^_^A

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※以下、ネタバレ注意(少なくとも半年後までは)

 作品はいきなり自らの手で自分の首を絞めて死んだ老婆の部屋に、たまたまやって来た民生委員の女が、かの怪しげなビデオを不可抗力で観てしまう、という、いかにもなシーンでスタート。そして主人公の女子大生・有里(山本美月)がその「呪いのビデオ」をデッキごと古道具屋で購入して、そこで同級生の夏美(佐津川愛美)がたまたま不可抗力でこのビデオを観てしまったことから、話は一気に“負”の方向に滑り落ちるかの如く展開していく。ここまでは観ていて、まあ予測通りの展開だったんだけど、ホラー映画なだけに主人公たちの狼狽ぶりが半端でなく、2日後の死を宿命づけられた夏美の絶望的な死の恐怖におびえる姿は、その舌足らずな台詞回しと共に何とも切実さを醸し出していた。ここから、大学の教授・森繁(甲本雅裕)やその知り合いの霊媒師・法柳(堂免一るこ)も巻き込んで怒濤のように急展開していく。ここで夏美に取り憑いてしまった「貞子」がとてつもない力を発揮し、大殺戮が繰り広げられる。ちなみにこちらは本編における『リング』パート。

 一方、かつて一家無理心中の舞台になって以来不気味な噂が絶えず、ついに立ち入り禁止になった2階建て住宅「呪いの家」の近所に越してきた、女子高生の鈴花(玉城ティナ)は、その家のことが気になって仕方がなく、ある日、その家の前で一人の小学生を目撃する。とはいってもその子がかの『呪怨』シリーズの「俊雄」か、といったらそうではなく、単なるいじめられっ子の少年。そんな彼に執拗なイジメを強いる3人組の同級生に、その「呪いの家」に無理矢理入らされた少年は、そこで「俊雄」と遭遇。その影響からか、彼はドア越しに3人組のリーダー格めがけ石を投げつけ、眉間に命中し激高する彼らをまんまと家に誘い込む。ここでその3人組は次々と“家の呪い”によって一人また一人と闇に引きずり込まれていく。この子供の死を暗示されるシーンだが、それまでに3人組の子供独特の陰湿な性根の悪さを嫌になるほど見せつけられていたので、恐怖よりは因果応報というか、“スカッとJAPAN”な展開だったよ。「ああそうか、こういうとき悪霊って、悪い奴をまず懲らしめるんだよな」って。でもそう思うやいなや、いじめられっ子の少年まで、「俊雄」の餌食になったしまったよ……って、この部分は『呪怨』パート。全体のバランスとして『リング』パート7割、『呪怨』パート3割、ってところかな。

 ここから、この2つの世界を結ぶキャラとして、異端の霊能者・常盤経蔵(安藤政信)が登場する。彼には盲目の少女・玉緒(菊池麻衣)という助手がいて、ふたりのやり取りはあたかもブラックジャックとピノコのよう。そして何故かとても強い。彼ならばどんな悪霊でも退治してくれそうな安心感を与えてくれるキャラだった。そんな経蔵が、「貞子」に殺される直前の法柳の依頼で有里らと合流。死期が迫った夏美と、彼女を助けたい一心で、かの「呪いのビデオ」を観てしまった有里を救うべく、玉緒と共に策を練るが、死の恐怖に狂った夏美が、あろうことか「呪いのビデオ」をネット上にアップロードして、その後呪いで首つり自殺を図ったことで、事態は最悪の状況に陥ってしまう。

 そこで経蔵は、かねてよりレクチャーしていた「呪いの家」の怨霊と「貞子」とを戦わせることを思いつく。折も折、少年のことがどうしても気になり、ついに「呪いの家」に足を踏み入れてしまった鈴花は、そこで最凶の怨霊「伽耶子」と遭遇してしまう。彼女は父母(松島正芳・田中美里)の捨て身の救助によって、何とか「呪いの家」から脱出するが、有里(そして夏美)と同様、「伽耶子」という怨霊に取り憑かれてしまった。そこで経蔵は究極の選択を思いつく。有里を「呪いの家」に入らせ、鈴花に「呪いのビデオ」を見せることによって、2人を「貞子」と「伽耶子」に奪い合わせる、という策だ。決死の覚悟で臨んだ2人の行動によって、経蔵の思惑通り、「貞子」と「伽耶子」は激しいバトルを展開する。ここのシーンは怨霊らしからぬ本当の肉弾戦で、「怪獣プロレス」を彷彿とさせる激しさ・わかりやすさだった。

 だが戦いの過程で、この最凶怨霊対決は、いつの間にか怨霊同士の融合という、訳の分からない事態に突入し、そのあおりで頼みの経蔵は胴体真っ二つにされて絶命。「貞子」と「伽耶子」はその後も融合を続け、もはや原形をとどめないくらいいびつなモンスターに変貌を遂げ、そこに「俊雄」も加わって、もはや『オール怪獣大進撃』の如き様相を呈していった。そこで唐突にエンディング。真っ暗な画面に聖鬼魔Ⅱのシャウトの利いたハードロックのエンディングテーマが流れてくる。しかも歌詞はしっかり貞子のことを歌っている! いやはや、凄まじかったなぁ(;^_^A

 ホラーのVSモノといえば、『フレディvsジェイソン』がまず思い浮かぶが、あのストーリーも、フレディがジェイソンを蘇らせて悪巧みを図るが、結局制御しきれなくなって……なんて話だったと思うが、ことこの『貞子vs伽耶子』に至っては、看板に偽りなき、正真正銘の“ガチンコバトル”だったんで、観ていて胸のすくような思いだった。まるで往年のプロレスにおける「ブッチャー対ザ・シーク」戦のような悪役対決を観るようで(;^_^A Jホラーも、陰湿でジメジメした怨念を描くよりも、こんな抜けのいい豪快な“力業”の作品をもっともっとたくさん製作してほしいな(;^_^A

 ちなみに本作を撮った白石晃士監督と言えば、かつてひろしま映像展に出品したフェイクドキュメント『暴力人間』を観たことがあったが、とにかく演技の凶暴さに圧倒され、目を覆いたくなるような展開ながら「結末まで観ざるには終えない」という強迫観念で最後まで観切った記憶がある。あのときのパワーは全然衰えていないなぁ(;^_^A

広島“全国区”化?

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 いつの間にか今年度のプロ野球シーズンがスタートしてしまった。勿論注目は、昨年度25年ぶりにリーグ優勝を果たした広島東洋カープなんだけど、おかげさまで7日現在、4勝1敗1分の2位をキープしているようだ(^^) 

 ところで、昨年の広島優勝を後押ししたのが、マツダズムスタに駆けつけたファンの声援で、選手らもその声援に大いに勇気づけられた、なんてコメントしているが……かつての広島ホーム試合でのファンの声援は、明らかに選手の足枷になっていた時代がある。何てったって、当時選手会長を務めた高橋慶彦などは、遠征を終えて広島空港(かつて観音にあった、現在「広島ヘリポート」の方)に降り立った際、「さあ、今日から“広島遠征”です」とナインに茶化して声をかけたくらいだから(;^_^A 確かに、旧広島市民球場時代から、「カープ女子」なる言葉か生み出される前までのズムスタ辺りまでは、贔屓の引き倒しといおうか、時として広島ファンの声援が逆に選手のプレッシャーになっていた時代が確実にあった。それは広島独特の荒々しい声援・ヤジが、逆に選手を萎縮させていたことは想像に難くない。特に県外からドラフト指名のあやによって、縁もゆかりもない広島に来てしまった選手にとっては尚更だ。

 それが近年、「カープ女子」の台頭もあって、様々な都市からズムスタに駆けつけるファンが増え、選手を取り巻くファンの面々が、“全国区に”なってきた。今までローカル色が強く、「広島人」にほぼ限定されていたカープファンの層が、いつの間にか日本中に広まったことが、元来広島の球場、地元のファンに萎縮していた選手に元気と勇気を与えてくれたことは想像に難くない。

 そして、「広島」カープファンの“全国化”に便乗してでも「広島発ヒロインアクションムービー」のさらなる発展に繋げて行きたいと考えている。昨年度から続く“広島バブル”の残滓がある限り、今年度も広島ゆかりのヒロイン「モロボシアイ」「神宮寺真琴」「葛城アキ」「八城忍」「伍代聖羅」もまだまだ大いに売り込めそうな気がする(;^_^A    それは各作品のDVD・D販売の促進だったり、また広島で全国でこれらのヒロインアクションムービーを上映していく活動だったりする。何はともあれ、「広島」であることを武器にし、且つ広島に興味を持っていただいている全国の方々のために、今後ともささやかな活動を展開していきたいと思う所存である(;^_^A

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我が家に飾ってあるレプリカユニフォーム。これを見て「大瀬良」「黒田」「野村」って思うなかれ。ユニフォーム
 の時代背景から、これは「津田」「黒田」そして「キックの宮(宮本)」なんだからね(;^_^A




有村姉妹で「激ファイト」?!

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 有村架純には“昭和ヒロイン”の香りがプンプンする。何といっても、かのNHK朝ドラ『あまちゃん』で主人公の母親(小泉今日子)の若かりし頃のアイドル候補生時代を見事に演じ切ったんだから……! リアルのキョンキョンが『私の16才』でデビューした昭和56年度当時の姿はよく覚えているだけに、下記のスチールは衝撃的だったな。まさに「完コピ」だったモノ(;^_^A

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 これならば、往年の“清純派セーラー服アクションヒロイン”が十二分に務まりそうだ(;^_^A まさに「斎藤由貴」「南野陽子」「淺香唯」「仙道敦子」「五十嵐いづみ」の流れを組む、“80年代系ヒロインアクション”にふさわしい主人公が。演技面も、『ビルギャル』では清純派のイメージをかなぐり捨てて、スレた女子高生役を実に豪快で外連味たっぷりに演じていたから問題ない(;^_^A  だから有村架純には何が何でもアクションヒロインを演じてほしいね………なんて書いてたら、思い出したよ。彼女はもう『女子ーズ』で、緑の変身ヒロインを演じていたんだ。ヒロインデビューしてたんだ。でも、ちょっとイメージが違うかなぁ……ヾ(ーー )

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 ところで、彼女には有村藍里という姉がいて、その子の方がセクシーアイドル・新井ゆうことして一足先に芸能界(グラビア界?)デビューを果たしていた、ってのは周知の事実である。ただ、如何せんその後大ブレークして今やテレビ・映画・CMに引っ張りだこの妹・架純と比べたら、今ひとつマイナーなイメージは否めない。そこら辺の“大人の事情”もあってか、彼女は本名の有村藍里に芸名を改名する。彼女に関しては、「顔が『テラフォーマーズ』の進化したゴキブリに似てる」等々酷い言われ方をネット上でされていたりもするが、曲がりなりにもグラビアアイドルである。それと意識でもしているのか、最近のスチールは、変な言い方かもしれないけれど、妹に似てきたような気がするよ(;^_^A

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 そこでふと思いついたのは、この藍里・架純の有村姉妹で“ヒロインアクションムービー”が作れないかなぁって妄想(;^_^A  例えば、二人は共に拳法の修行に励む仲の良い姉妹だったが、ある時、姉の藍里が悪の組織に拉致監禁されて、洗脳後悪の手先として操られ悪事をはたらくことになる。それを辞めさせ記憶を取り戻させようとする妹の架純。彼女は“80年代系アクションヒロイン”のユニフォームとも言うべきセーラー服で敵に立ち向かう。それを阻止するのが、“白いセーラー服(冬服)”に身を包んだ姉の藍里。洗脳された彼女は「藍里など知らぬ。私の名は“新井ゆうこ”だ!」とうそぶいて、妹とガチンコバトルを展開する。その過程で、架純の思いあまった一撃が藍里の顔にヒット! 思わず倒れ込む藍里はそこで後頭部をしたたか打ち付け、その弾みで洗脳が解けて意識を取り戻す。そして、白いセーラー服を脱ぎ捨て、妹と揃いのセーラーに着替えると、妹からもらった赤いスカーフを結び、遂に敵の組織のボスめがけ、「ダブル有村キ~ック!!」を浴びせかけ、見事に殲滅する………そんな王道映画(TVドラマでも可)なんて、どこか撮ってくれないかなぁ……昔ならきっと「月曜ドラマランド」の枠で作ってくれそうなネタだけどなぁ……(;^_^A

 下手な青春恋愛ドラマより、きっと評判になると思うよ(;^_^A  何なら私に撮らしてくれないかなぁ……ヾ(ーー )

『土曜ワイド劇場』と共に人生を過ごした

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 小学生時代、土曜日の夜といったらNETだった。地元ではUHT(広島ホームテレビ)だったんだけれど、7時半から『仮面ライダー』、8時からは『人造人間キカイダー』→『キカイダー09』の東映特撮ヒーローモノ、8時半からは『デビルマン』→『ミクロイドS』→『キューティハニー』と続くアニメ枠。そこから、内容によっては9時から始まるB級娯楽映画専門の『土曜映画劇場』まで“はしご”して観続けるってのが、小学校高学年での定番の土曜夜の過ごし方だった。当時軒並みあった「洋画劇場」「映画劇場」とことなり、時間枠は短めの90分弱。番組のエンディングに流れるホルストの「惑星」は好きだったなぁ(;^_^A その後はチャンネルを広島テレビ(日テレ系)にこっそり換えて、かの『ウイークエンダー』を途中から観てたりもしたがヾ(ーー )、これも小学生時代の密かな楽しみだったよ(;^_^A

 奇しくも小学校を終えた頃を同じくして7時台の『ライダー』はRCC(TBS系)に移行し、8時台の特撮・アニメ枠も終了。そしてその2年後には『土曜洋画劇場』もあっけなくその幕を閉じてしまった。確か最後の放映は、その枠で何度も何度も流れた『600万ドルの男』だったと思う。その後釜として始まったのが、『土曜ワイド劇場』である。

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 SFや戦争ものといったB級娯楽に特化していた『土曜映画劇場』が好きだったんで、その反動か、『土曜ワイド劇場』を最初の頃はあまり観ることはなかった。それこそ、時間帯故エロティックなシーンが当時は多く、そこら辺につられて多少観ることがあったくらいかヾ(ーー )

 でも、かの「江戸川乱歩の美女シリーズ」や時折円谷プロが制作する『恐怖劇場アンバランス』を彷彿させるようなオカルト特撮サスペンス辺りから、結構楽しんで観るようになった記憶がある。あの頃は日テレでも『火曜サスペンス』や『木曜ゴールデンドラマ』なんて枠で単発ドラマを流し始めて、やがて『土曜ワイド劇場』も2時間枠へ移行するころには「2時間ドラマ」なる言葉がすっかり定着していった。

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 それから40年、一昨晩ついにくだんの『土曜ワイド劇場』も長年の歴史に幕を下ろしてしまった。未だに『土曜映画劇場』打ち切り当時を記憶する者にとっては「もう40年か」と隔世の寛があるが、かの『美女シリーズ』の映像がフィルム(16ミリ)で撮られていたことや、『幽霊列車』(1978年)で露天風呂で驚いて立ち上がり上半身ヌードを惜しげもなくさらす浅茅陽子が実に初々しかったり(彼女はNHK朝ドラ『雲のじゅうたん』(1976年)で小野間真琴役を演じている(;^_^A)したことを考えると、やはり40年の重みを感じてしまう。何たって、自分の人生の大部分を共に過ごしたことになるもの……(;^_^A

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 テレビ界がどんどん軽薄なバラエティ番組にシフトしていき、良質なドラマが逆に放映枠を奪われていく現在、この“2時間ドラマ最古にして最後の砦”であった『土曜ワイド劇場』んも終了は何とも象徴的だ。でも私の脳裏には、今も「美女シリーズ」のテーマ曲と共に、かの初期の『土曜ワイド劇場』オープニングテーマがいつまでも鳴り響いているよ………(;^_^A



「土曜ワイド劇場」40年の歴史に幕 惜しむ声続々「数々の名作をありがとう」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170408-00000153-spnannex-ent

 テレビ朝日の2時間ドラマ「土曜ワイド劇場」(土曜後9・00)が8日、最終回を迎え、1977年のスタート以来40年間の歴史に幕を下ろした。同番組は、情報番組「サタデーステーション」(土曜後9・00)のスタートに伴い「日曜ワイド」として日曜午前10時枠に移る。

 ラストを飾ったのは、俳優の高橋英樹(73)が主演を務める人気シリーズ「西村京太郎トラベルミステリー」の第67弾「箱根紅葉・登山鉄道の殺意」。原作は西村氏の「十和田南へ殺意の旅」、脚本は今井詔二氏、 監督は村川透氏。箱根などを舞台に、十津川警部と亀井刑事が謎の連続殺人事件解決に挑むという内容だった。
  最終回の放送終了後、ネット上では「毎週見ていたのにショック」など終了を惜しむ声が続々。また「物心ついたときからずっとやってた番組だから、ちょっと信じられない」といった驚きの声や、「40年間お疲れ様でした」「数々の名作をありがとう」などの“ねぎらい”の声も多く上がった。



CG技術で甦れ『ゲッターロボ』!

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 『美女と野獣』の予告編を観た。その中で驚かされたのは、先行するアニメ作品独特のキャラだと思っていた、城の動く燭台、置き時計、ティーポット、箒といった面々が、きっちり実写でも同じようなキャラ・動きをしている点だ。これらはまさに「アニメならでは」のキャラだったのに、まんま“完コピ”状態で登場するのにはビックリした。これもコンピューターグラフィック技術の向上なくしてはありえない映像だろう。

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 昨今のCG技術はほぼ完全に「映像の不可能」を払拭した感がある。かつて『フォレストガンプ』が制作されたとき、監督のロバート・ゼメキスが「もはや映像は法的な証拠になり得ない」云々と語った話を読んだことがあるが、まさにCGは現実の中に虚構(仮想現実)を創り上げる脅威の技術に成長した。

 しかしながら、今までの多くは「全てを現実っぽく描く」という方向に腐心していたような気がする。先駆けとなった『ジュラシックパーク』の恐竜から昨今の『シン・ゴジラ』に至るまで。その点、今回の実写版『美女と野獣』では、「アニメ世界をそのまま実写で描く」という、「如何に観客を信じさせるか(もしくは騙すか)」よりも「アニメキャラを無理矢理実写にしてしまう」方に特化したCG技術が用いられているようだ。そう考えると、CG技術は往年のアニメ作品の実写にこそ、その能力を遺憾なく発揮できるのではなかろうか?

 そこで是非実現してほしいのは『ゲッターロボ』の実写化だ(;^_^A このアニメはイーグル号、ジャガー号、ベアー号というほぼ同型の3機のゲットマシンが、その組み合わせによって空陸戦を得意とする「ゲッター1」、高速で陸上移動し地中でも活躍する「ゲッター2」、そしてキャタピラで地上や海底を移動する「ゲッター3」の3体に合体するというのが特徴だ。だがこの合体が、実は物理の法則を無視していて、合体と言うよりはあり得ないゲットマシンの“変形”によって成立していて、アニメの「絵」なら可能でも、実際にミニチュアを使っての特撮では絶対無理な設定だった。

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 その点、CGならば、「実写に絵を描く」ような技術だから、実現可能だろう、ただ実写故、全く映像的説得力を無視して変形してもしらけるばかりだから、そこら辺りは制作者サイド及び脚本の技量が問われるところだろう。

 アニメ作品を実写サイドの可能な形に「設定変更」して描くのも一つの方法論だと思うけど、このように敢えてアニメの設定をそのまま実写化してしまう思いきりの良さも、往年のアニメを実写化する意義に繋がっていくのではなかろうか………

実写版『破裏拳ポリマー』に期待大!!

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 『破裏拳ポリマー』が実写化される。この作品、オリジナルのアニメはリアルタイムで観ていた。当時本作は土曜日の6時から放映されていて、裏番組が『アルプスの少女ハイジ』。何故かクラス男子の間で「ハイジを観なければ」なる妙な風潮が起こっていたので、私ともう一人の2人は“少数派”として何だか後ろめたい気持ちで『破裏拳ポリマー』を観ていた記憶がある(;^_^A

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 さてこの『破裏拳ポリマー』に何故惹かれたかというと、鉄をも砕く「破裏拳」の圧倒的な強さと、それとは裏腹のキザながらコミカルな主人公・鎧武士の設定の妙だった。物語もコミカルな前半とシリアスな後半とで構成されていて、あたかも主人公のキャラは往年の日活無国籍アクション「渡り鳥シリーズ」のマイトガイ演じる主人公・滝伸次とライバルのジョー(宍戸錠)を“2乗”したような格好良さだった。また変身後、悪に対してしっかり決め台詞「この世に悪がある限り、正義の怒りが俺を呼ぶ!」って啖呵を切るのも、同基軸の『無敵超人ダイターン3』にも一脈通じる、外連味たっぷりの演出だった。

 そんな『破裏拳ポリマー』が溝端淳平主演で実写映画化されると知り、一抹の不安が脳裏をよぎった。しかし、先週末に劇場でチラシをゲットした際、その内容を読んで、逆に興味がわいてきた(;^_^A

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 「警視庁と防衛省が極秘裏に開発した特殊装甲スーツ『ポリマースーツ』。奪われた3体を取り戻すため、警視庁が白羽の矢を立てたのは、流浪の探偵・鎧武士。実は彼だけが、紅き最強スーツを起動できるのだった」(『破裏拳ポリマー』チラシ裏面より抜粋)

 ここら辺の設定改変は、今風でカッコいいし、「流浪の探偵」ってのもいかにも「日活アクション」っぽくて良い。何といってもどちらか問えば“か細い”イメージの溝端淳平が4ヶ月みっちり鍛え上げられた、らしく、その活躍ぶりが何とも楽しみだ(;^_^A

 もっとも、「果たしてオリジナルのコミカルさも継承してくれるか?」「『監督がアメリカを主戦場にしていた』とのことで、日本的な“外連味”を理解してくれているだろうか?」などなど不安材料がないわけでないが、なにぶん、ウルトラや仮面ライダーに長く関わり、『トラベラーズ 次元警察』も演出した坂本浩一監督だけに、期待しておこう(;^_^A

 それと、是非主題歌は「戦え!ポリマー」で!(;^_^A


※youtube上で『破裏拳ポリマー』の予告編を観たんだけれど、「主題歌」「キザでコミカルな主人公」という期待した部分は無事クリアーしているようだった。くだんの“啖呵”も劇中効果的に使われているようだし……俄然封切りが楽しみになってきたぜ!(;^_^A



ウルトラの母は太陽のように……

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 きっと今宵は、このタイトルでブログを書く人が多いだろうな……

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 昭和40年代後半、日本ではヒーロー特撮ドラマが百花繚乱の如く放映されていた頃、老舗円谷プロの看板番組である「ウルトラシリーズ」の『ウルトラマンA』が終了して、その後番組として登場したのが“ウルトラマンT”こと“ウルトラマンタロウ”だった。まずこの“タロウ”ってネーミングセンスには辟易したし、「ウルトラマン」と銘打ちながら、ヒーローの姿はどう観ても“ウルトラセブン”?! 丁度小学校も高学年に差し掛かった頃だし、『ウルトラマンA』の後半位からあまり観なくなったこともあって、今思うとこの『ウルトラマンタロウ』の印象はほとんどない。その理由には、前出の視聴者を小馬鹿にしたようなヒーローの名前と共に、遂に「ウルトラの母」なる設定が生まれたことも影響している。

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 『A』で「ウルトラの父」が登場したこともあって、「ウルトラの母」が存在しても別に問題ないのだが、それが他のウルトラヒーローと共に巨大化して登場するってのは、結構気恥ずかしかったよな(;^_^A  しかも、能面のようなウルトラマン系のマスクに銀色の全身、そこに女性の証としての豊満な胸とポッチャリした体型ライン、ってのは、あたかも“金粉ショーのダンサー”を彷彿させて、これを“母”と呼ばれても、何とも困ったものだった(;^_^A(そのスーツアクターは「オレンジファイター」よろしく、実は男性だったと言うし……)。でもこの「ウルトラの母」の変身前の姿を、かのペギー葉山が「緑のおばさん」(←この言葉知ってる?)として演じてくれたので、辛うじて“一線を越える”ことなく、飽くまで「ウルトラの“母”」として認識することが出来た……かれこれ40年近く前の話だけど………

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 そう言うわけで、『ウルトラマン80』に登場する“女ウルトラマン”こと「ユリアン」の萩原佐代子に先駆けること7年前に、栄えある“初の女ウルトラマン”の称号を得たのが、かのペギー葉山女史である。彼女は私生活においても、“2代目MAT隊長”役を務めた根上淳の奥方という、公私ともに生粋の“ウルトラ女優”といえる存在だった。しかも歌手としても『南国土佐を後にして』『学生時代』などの数多のヒット曲を世に送り出している。『南国土佐を後にして』は、そのヒットを受けて日活で制作されたマイトガイ(小林旭)主演の同名の映画が、後の「渡り鳥シリーズ」の先駆けとなったし、『学生時代』は今聞いてもすぐ脳裏に“セーラー服姿の女学生”が浮かんでくるぐらいの名曲で、それらの方面でも非常に印象深いタレントだった。

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 長く闘病生活を支えてきた、先に天に召された夫・根上淳氏との再会を今頃果たしているだろうか、天国には円谷英二御大も本多猪四郎監督もいるので、落ち着いたらまた夫婦揃って楽しい“来世の特撮ドラマ”で撮ってほしいと切に願う。もうじき観賞に行きますので……合掌


※ちなみに彼女は幼少期、両親が広島出身だったこともあって、広島への疎開を考えたものの、父親の英断で別の田舎に疎開し、危うく原爆の難を逃れたそうである。その“偶然”が「ウルトラの母」を誕生させ「渡り鳥シリーズ」のきっかけとなったことを考えると、何とも運命の不可思議さを感じさせられる。ちなみに彼女も“広島の遺伝子”を継承していたんだなぁ……


歌手のペギー葉山さん死去 83歳 「ドレミの歌」「南国土佐を後にして」

 訳詞した「ドレミの歌」や「学生時代」「南国土佐を後にして」など知られる歌手のペギー葉山(ぺぎー・はやま)さんが12日午前11時55分、肺炎のため東京都内の病院で死去した。83歳。東京都出身。葬儀・告別式は近親者で行う。後日お別れの会を開くという。

 3月29日に東京・日生劇場で行われた「越路吹雪 三十七回忌特別追悼公演 『越路吹雪に捧ぐ』」に参加。翌30日にはブログで報告し「こーちゃん(越路さん)の思い出の歌が次から次へとゴージャズに歌われ、ファンの皆さまが2階まで満杯!素晴らしいイベントでした」と元気な様子だった。

 1952年「ドミノ/火の接吻」でレコードデビュー。54年、「月光のチャペル」でNHK紅白歌合戦に初出場。59年、NHK高知放送局テレビ放送開始の記念に歌った「南国土佐を後にして」が空前の大ヒットを記録した。64年には「学生時代」がロングセラーとなった。

  ミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」を劇中歌「ドレミの歌」に日本語詞を付けて歌い、今も歌い継がれている。

 タレントしても活躍し「ひらけ!ポンキッキ」のしつけコーナーや「ウルトラマンタロウ」のウルトラの母の人間体“緑のおばさん”などでお茶の間に親しまれた。66年にはNHK紅白歌合戦で紅組司会を務めた。

 2004年旭日小綬章。女性初となる日本歌手協会7代目会長も務めた。

 65年、俳優の根上淳さん(2005年没、享年82)と結婚。おしどり夫婦として知られた。
 

実は『シン・ゴジラ』こそ“初代ゴジラ"の正統なるリメイクでは?

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 思い起こせば1954年公開の初代『ゴジラ』以来、今日まで日本国内(東宝映画)で撮られた全29本の「ゴジラ映画」の中で「あの怪獣は何だ?!」から始まったのは、この度の『シン・ゴジラ』が初めてだったことをふと思い出した。

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 『メカゴジラの逆襲』まで続いた全15作の「昭和ゴジラシリーズ」は、最初に怪獣が登場し、大戸島の伝説に従ってゴジラ(呉爾羅)と命名されてからずっと続くシリーズだったので当然ながら、それから9年後に復活した1984年からの「vsシリーズ」では、“原点回帰”“往年の怖いゴジラの復活”がテーマだったので、1954年版のリメイクにする、という選択肢もあったはずだ。しかしながら、制作サイドが考えたのは、『ゴジラの逆襲』以降の作品をなかったものにする、という荒技で、いきなり第一作の続編、というスタンスをとることになった。だから当然、映画の世界観では誰もが30年前の惨禍を覚えていて、「彼」が出現する前から「ゴジラ! ゴジラ!」の大合唱だった。そして商業映画の宿命である観客動員の見地から「怖いゴジラ」という設定までいつの間にかなし崩し的に薄まっていき、登場人物たちは回を追うことに勝手にゴジラの理解者となっていった。

 その「vsシリーズ」も“ゴジラのメルトダウン”というとんでもない結末でジエンドし、一旦その牌はアメリカに委ねられたものの、すぐに日本に戻ってきて“ミレニアムシリーズ”として再復活する。が、ここでも「ゴジラは既に存在し、認知されている」という設定で、しかも『東京SOS』『ファイナルウォーズ』を除く4作品が、全て毎度初代『ゴジラ』の続編として描かれ、しかも毎回設定がリセットされる“パラレルワールド”的展開になっていく。初代の続編故、やはり毎回登場する「彼」はいきなり「ゴジラ」と呼ばれてしまう。勿論前作“ゴジラ×メカゴジラ』の正式な続編である『東京SOS』もしかり、シリーズ最終作というよりは“ボーナストラック”のような映画だった“ファイナルウォーズ”もしかりだ。だから、『シン・ゴジラ』で、“後のゴジラ"が登場後、しばらく「巨大不明生物」と呼ばれるリアル感には正直痺れたね(;^_^A
  
 で、最近になってようやく、本作が突拍子もないほど奇抜なアイディア、映像に充ち満ちていたけど、時とは連綿と続くシリーズの歴史の中で、ようやく誕生した初代『ゴジラ』のリメイク作品だったんだ、という結論に達した次第(;^_^A

 まあちょっと強引すぎる結論かもしれないけどねヾ(ーー )

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闘う! 水原勇気

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 昨年度の勢いそのままに、4月負けなしで破竹の連勝を続けてきた広島東洋カープも、昨晩遂に久々の黒星を喫し、連勝は10で止まった。なにぶん今までが出来過ぎだっただけに、“リバウンド”に注意して“化けの皮”が剥がれないよう気をつけて、今日からまだ頑張ってほしいね(;^_^A

 さて、そんな夜、思いがけずネットで『野球狂の詩』を観た。これは野球漫画の殿堂・水島新司氏が、月刊少年マガジンに連載した、架空のセリーグ球団「東京メッツ」の活躍と選手の人間模様を描いた傑作漫画だ。その『野球狂の詩』が「月刊」から「週刊少年マガジン」に連載が移行する際、その目玉として生み出した新機軸が、プロ野球初の女性選手・水原勇気だった。作品は水原の入団と、選手条件として「医学上男であること」と明記したプロ野球協約緩和への闘い、そして晴れてプロ野球選手となった勇気の活躍と挫折、その果てに魔球“ドリームボール”の誕生に至るまでを描いた、実に挑戦的な物語だった。当時は広島東洋カープが初優勝した翌年とあって、彼女の最初の師であり“ドリームボール”生みの親でもあった先輩キャッチャー・武藤のカープへのトレードに伴って、旧広島市民球場を舞台にした場面も多かった。

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このシーンも、背景は明らかに旧広島市民球場!

 本作はアニメ化もされたが、今回観たのは実写映画版の方。「水原勇気篇」からファンになって原作の単行本を揃え始めた位だったので、当時は是非観たいと思っていたが、本作を制作したのが「にっかつ」時代の「日活」、つまり“ロマンポルノ”全盛の頃だったので、例え一般映画だとしても、ポルノ常打ち館へ入る勇気はなく……ていうか中学生時代、にっかつの映画館がどこにあるかなんて知るよしもなかったので、残念ながら見そびれてしまっていた。後に民法のTVで放映されたとき初めて観て、ビデオがなかった時代故、音声を全てカセットテープに録音して、何度も聴いたものだった。そして今は亡き「BS2」で放映されたときようやく録画、更に所用で東京へ行ったときに原宿の「ラフォーレ原宿」(これも今は亡き?)近くの中古ビデオショップでDVDをゲットすることが出来た。

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こういう“バトンタッチ”スチールって大好き!(;^_^A

 さて、今回興味深く観たのは、冒頭の原作にもある岩田鉄五郎の「10対53」の引退試合シーン(すぐに引退撤回!)と、クライマックスの対大阪アパッチ戦での水原勇気リリーフ登板のシーンだった。ここで目を見張ったのは、水原勇気役を務める木之内みどりの素晴らしすぎる可憐さだ。何とも可愛らしい顔を一生懸命しかめて、凜とした瞳を輝かせて、屈強の男たちに向かって球を投げ込むシーンは、改めて観てもかっこよくて仕方がなかった(;^_^A 

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 また相手の打者が力道玄馬(原作では阪神の選手)役の丹古母鬼馬二をはじめ、実に“悪役面"してるんで、まるでヒロイン・木之内みどりが悪投相手に闘っている「アクションヒロイン」のように見えて仕方がなかったよ(;^_^A そんな気分で最後まで観てしまった。「アンダースローのサウスボー」っていうプロでも難しいフォームを、見事に演じきっていたしなぁ……(;^_^A

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 作品自体は、上述の内容を僅か2時間程度の尺の中に押し込んでいるのでかなり展開が激しく、且つ続編へ含みを残すような"消化不良"的なもので、試合のシーンも余りリアル感がなかった。話は変わるが、坂本順治監督の『どついたるねん』が素晴らしかったのは、試合の映像を敢えてボクシング中継と同じ“引き"で数カット撮って、臨場感とリアル感を醸し出している点である。そこら辺りの配慮が、この実写映画版『野球狂の詩』には足りなかったかなぁ……

 そういえば、まさにはまり役といってもいい「岩田鉄五郎」の小池朝雄や、「五利監督」役の桑山正二、「メッツオーナー」の藤岡重慶、「尻間スカウト」役の谷啓をはじめ、相手大阪アパッチの監督役で出演した豊田泰光、ヘッドコーチ役の“ヒゲの”辻佳紀(「パンツマン!」)に至るまで、みんな既に鬼籍に入っているのは、何とも感慨深い。何といってももう40年も前の映画なんだから………そんな中で丹古母鬼馬二だけは当時も今も変わらぬ雄姿でいるのは“驚異”としか言いようがないね(;^_^A

 映画は大阪アパッチに辛勝したメッツの面々が、「この勢いで、広島に乗り込むで!」とばかり、新幹線(勿論0系)に乗って西に向かうところで終わりを迎える。70年代の邦画独特のざらついた映像が何とも懐かしく、またまた胸が熱くなってしまったよ(;^_^A

 ちなみに本原作は、月曜ドラマランドでもドラマ化されていて、主人公の水原勇気を演じたのは、「スケバン刑事」前夜の斉藤由貴。思えば、その当時はまだ『スケバン刑事』の主人公役に急遽抜擢される前だったかもしれない。まだまだ“お嬢さん”然とした表情で、健気に勇気になり切っていたなぁ。でも前出のように「水原勇気」さえ“闘うヒロイン”なんだったら、このドラマの主演で、彼女の後の役者人生は運命づけられていたのかなぁ……なんてね(;^_^A

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